瓦屋根の漆喰が多少剥がれたくらいでは、すぐに雨漏りにつながるわけではありませんが、そこから徐々に劣化は広がっていきます。例えば、瓦の中にある葺き土が湿り、そこから雨漏りとなるケースはとても多いです。 ただ要注意なのは、瓦の剥がれや割れがある場合です。 このような状態の場合、短期間で雨漏りに至るケースがあります。特に台風の後などは、瓦の剥がれや割れなどのお問合せをとても多くいただきます。
瓦屋根の大棟部分の構造をご紹介します。 大棟を解体すると、中に葺き土と呼ばれる土が入っています。その外側には漆喰があります。漆喰の主な役割は葺き土を雨水から守る役目を果たしています。 瓦屋根の雨漏りの原因は、瓦の割れやズレから起こるケースと、この葺き土が濡れて起こるケースが多いのです。 この場合、漆喰詰め直しを行って漆喰を補修します。 近年では、南蛮漆喰という葺き土兼用の漆喰があり、葺き土を使った瓦は減少傾向にあります。
剥がれてきた漆喰を詰め直します。
大棟を一度解体し、葺き土を詰め直して再度積み上げて銅線で固定します。
割れた所の瓦を差し替えます。
最初に古くなった漆喰を取り除くことから始めます。 今ある漆喰の上に新しい漆喰を詰めても、すぐに剥がれてしまうため、丁寧に取り除いて清掃を行います。漆喰は傷みが見られたら早めに補修を行う必要があります。 なぜなら、経年劣化によってひび割れが起こり、漆喰がボロボロになって剥がれると、中の土が出てきてしまうからです。
漆喰を詰める作業は、細かいところまで隙間なく塗っていくことがとても難しく、加えて表面も綺麗にならす必要があるため、まさに職人技の見せ所と言えるでしょう。この作業を実施する全ての箇所に行います。
全ての漆喰塗りが終われば工事完了です。しっかり丁寧に補修を行った漆喰は20年は持ちます。長持ちさせるためには、定期的なメンテナンスを行うことが大切です。ちょっとしたひび割れでも放置せず、早めに対処することを心がけましょう。
漆喰の状況を確認します。漆喰が剥がれると、中にある土が湿って傷んでしまうのです。また、これによって棟の固定力が弱まり曲がってしまいます。
棟板金とその下にある貫板を撤去します。雪止めがある場合はそれらも撤去します。そして、今までの棟、古い土も撤去し、新しい土を盛ったら、漆喰を塗っていきます。
瓦を元の位置に設置し、漆喰で丁寧に固定します。棟瓦取り直し工事はこれで完了となります。